Ada/SPARK言語がNVIDIAと連携し、自動車向けISO 26262市場に参入
2025/6/2
高信頼性ソフトウェアツールの開発において業界をリードするAdaCoreは、AdaおよびSPARKプログラミング言語を自動車分野に本格導入することを発表いたしました。
本取り組みは、パートナーであるNVIDIAとの協業により実現したもので、他の企業が容易に追随できる「直ちに利用可能なリファレンスプロセス」の提供を通じて、業界全体への普及を目指します。
NVIDIAは、自動運転車向けアプリケーションの開発・展開を目的に、同社のDRIVE AGXプラットフォーム上で動作するリファレンス・オペレーティング・システムおよびソフトウェア・スタック「Drive® OS」を開発しました。
本システムには、自動車向け機能安全規格「ISO 26262」において、最高レベルの安全要件に準拠したソフトウェアコンポーネントが含まれています。こうした高度な安全基準を満たすため、NVIDIAはソフトウェア・スタックの中でも特に重要なコンポーネントに、AdaおよびSPARK言語を採用しました。これにより、形式手法(フォーマルメソッド)をはじめとする両言語の特性を最大限に活用した、安全性を重視した開発プロセスの確立が可能となりました。
AdaCoreとNVIDIAは、リファレンスプロセスをオープンソースとして無償で公開し、あらゆる開発者や企業が自由に利用・カスタマイズできる形で提供しています。これにより、自動車業界全体におけるAdaおよびSPARK言語の普及と、安全性を重視したソフトウェア開発の促進を目指しています。
AdaCoreの最高製品・収益責任者(Chief Product and Revenue Officer)であるクエンティン・オケム(Quentin Ochem)氏は次のように述べています。
「自動車業界における付加価値は、従来の機械的要素からソフトウェア機能へと大きく移行しています。これに伴い、ソフトウェアの安全性をいかにして確保するかが、現代の車両開発における最重要課題の一つとなっています。NVIDIAは、開発プロセスにAdaおよびSPARK言語を導入し、その取り組みを他の開発者が参照可能な形で公開することで、この分野における優れた技術的リーダーシップを示しています。」
ISO 26262準拠のリファレンスプロセスは、以下のURLより無償で入手・カスタマイズが可能です:
AdaおよびSPARK言語を学べるインタラクティブな学習プラットフォームをぜひご覧ください。
Visit our interactive platform designed to teach the Ada and SPARK languages. »
AdaCoreについて
1994年に設立されたAdaCoreは、ミッション・クリティカル、セーフティ・クリティカル、かつセキュリティ・クリティカルなシステム向けにソフトウェア開発・検証ツールを提供しています。
長年にわたり、AdaCore製品を利用されているお客様は、セーフティ・クリティカルなアプリケーションを開発し、保守を継続されています。その分野は、商用航空機、自動車、鉄道、宇宙、軍事、航空交通管制、医療機器、財務サービスなどです。AdaCore社の顧客は、世界的に幅広い分野で増え続けています。詳細については、こちら(英語)をご覧ください。
AdaCore製品はオープンソースで、開発エンジニア自身が専門的なオンラインサポートを提供しています。同社の拠点は、ニューヨークならびにパリにあります。
※本資料は、AdaCoreのプレスリリースを意訳したものです。正確な内容については、原文こちらをご参照下さい