SMBとQUICの驚くべき親和性
SMBとQUICの驚くべき親和性
これまでQUICのもたらす恩恵について説明をしてきましたが、この恩恵はHTTPだけにとどまりません。
Windowsファイル共有に使用されるネットワークプロトコルであり、ファイルの共有や印刷などの機能を提供すSMB/CIFSプロトコルもその恩恵に教授できます。
またSMB/CIFSプロトコルとQUICには、大きな親和性があるとされています。
SMB/CIFSプロトコルは、TCPを使用して通信を行いますが、TCPはHead of Line Blocking(HOLブロッキング)問題があります。
これにより、通信の遅延が生じ、ファイル共有や印刷などのパフォーマンスが低下してしまう問題がありました。
QUICと結びつくことにより、HOLブロッキング問題が発生しにくく、TCPよりも高速で信頼性の高い通信を行うことができます。
このため、SMB/CIFSプロトコルをQUICに移行することで、以下の様な、より高速で信頼性の高いファイル共有や印刷を実現することができます。
高速な通信: QUICは、TCPよりも高速な通信を実現します。QUICは、接続の確立や再送処理を最適化することで、通信速度を向上させます。
パケットロスの回復: QUICは、通信中にパケットロスが発生した場合に、より迅速に回復することができます。QUICは、パケットレベルで再送処理を行うため、TCPよりも素早く復旧します。
セキュリティ: QUICは、暗号化を強制するため、通信のセキュリティが高いです。QUICには、TLS 1.3に基づく暗号化が組み込まれています。
NATトラバーサル: QUICは、NAT(Network Address Translation)トラバーサルが容易であるため、SMB Over QUICを使用することで、ネットワークの複雑さを減らすことができます。
これらの利点により、SMB Over QUICは、Windowsネットワーク上のファイル共有を高速かつ安全に実現することができます。
将来的にWindowsでQUIC over SMBをサポートされ、SMB/CIFSプロトコルがQUICに移行することで、Windowsファイル共有のパフォーマンスが向上すると期待されています。