ウインドリバーのZephyr RTOS 開発・運用支援サービス
Mbed OSがなくなっちゃう。次どうしよう?
Armによれば、2026年7月をもってMbed OS(とMbedプラットフォームも)を終了する旨2024年8月末にアナウンスがありました。
そこで、Mbed OSの次候補として、以下Zephyrを紹介いたします。
Zephyrとは?
Zephyrは、Linux foundationのIoTおよび組込み技術部門によるオープンソースのリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)プロジェクトで、EthernetおよびBluetooth接続用にスケーラブルかつフットプリントが最適化されたRTOSです。
Zephyrは軽量で、そのモジュラーアーキテクチャは限られたリソースしか持たないデバイスやリソースが制限された環境下にデプロイされたデバイスでの使用に適しています。
また、Arm®、x86、およびRISC-Vを含むさまざまなアーキテクチャに対応したハードウェアをサポートしています。
Zephyr Projectについて
Zephyr Projectは、オープンソースの革新的な力を活用し、幅広いハードウェアをサポートするRTOSを開発・サポートするために設立されました。低消費電力、最適化されたフットプリント、ネットワークおよび Bluetooth接続、正確なタイミングと応答を提供し、医療機器、通信、自動車、産業オートメーションなどの高成長産業で採用されている組込みシステムとインテリジェント・エッジ・デバイスに課される膨大かつ増大する要件をサポートします。
Zephyr Projectは、オープンソースコラボレーションへのコミットメント、新しいリソース制約やリアルタイム機能への適応性、幅広いハードウェアサポートにより、Zephyrを組込みシステムやIoTデバイス向けRTOSの未来を形作る重要かつ影響力のあるプレーヤーにしています。
Zephyrの主な特長
- オープンソース:
開発者は自由にコードにアクセスし、変更し、コントリビュートすることができます。 - モジュラーアーキテクチャ:
開発者は既存のZephyrコンポーネントから必要なものだけを選択して組み込んだり、新しいコンポーネントを開発して組み込んだりして、目的別のRTOS実装に最適化されたフットプリントを作成することができます。 - 拡張性:
小型のセンサーノードから協力なIoTゲートウェイまで、さまざまなハードウェア機能を持つ幅広いデバイスに対して拡張可能です。 - クロスアーキテクチャ対応:
Arm®、x86、RISC-Vなどのアーキテクチャを含む幅広いハードウェアをサポートしており、さまざまなハードウェアプラットフォームと互換性があります。これにより、開発が簡素化され、相互運用性が促進されます。 - リアルタイム機能:
産業オートメーション、ヘルスケア、自動車のユースケースで不可欠な正確なタイミングと応答性を必要とするアプリケーションにリアルタイム機能を提供します。 - ライブラリとプロトコル:
Zephyr Projectには、ライブラリ、プロトコル、デバイスドライバの包括的なセットが含まれています。これらのリソースは開発を簡素化し、開発者がゼロから始めることなくリアルタイムアプリケーションや組込みアプリケーションを構築することを可能にします。 - セキュリティに重視:
メモリ保護、アクセス制御、セキュアブートオプションなどの機能を提供します。このようなセキュリティへの注力は、データの完全性とユーザのプライバシーが要求される組込みアプリケーションにとって極めて重要です。 - コミュニティによるサポート:
リアルタイムと組込みシステムの専門知識を持つ開発者と貢献者の活動的なコミュニティによって支えられています。
上述のとおり、Zephyrは多くの特長を備えているため、組込みデバイスのリアルタイム開発に強力な選択肢となっています。
Zephyrのユースケース
Zephyrの拡張性とモジュラアーキテクチャは、従来のものから新しいものまで、多くの組込み機器やリアルタイム機器のユースケースに役立ちます。以下はその代表的な例です。
- センサー、アクチュエータ、ウェアラブルなど、リソースに制約のあるIoTデバイス
- 製造現場のリアルタイム・プロセス・コントローラやモニタ
- リアルタイム機能によりタイムリーかつ正確なデータ収集と処理を実現する患者モニタリングシステムと医療センサー
- 車載インフォテインメントシステム、先進運転支援システム(ADAS)、予測可能な応答が求められるその他の自動車安全制御システム
- IoTおよびエッジデバイスのBluetoothおよびEthernet対応の無線通信により、迅速な意思決定のための予測可能な応答を生成するために、データソースに近い場所でデータを処理することが求められる、医療機器、産業オートメーション、および電気通信の新たなユースケースに対応
もし、Zephyrで開発進めるにあたりその一部を手伝って欲しい、サポートが欲しい、など開発や運用支援においてお手伝い必要とあらば、ウインドリバーからプロフェッショナルサービスを提供していますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。
ウインドリバーのZephyr RTOS開発・運用支援サービス
https://www.windriver.com/japan/services/zephyr