QUICに託したもの
Visuality Systems
連載コラム
QUICに託したもの
TCPは、インターネットの基盤となるトランスポートプロトコルで1974年に開発されて以来、インターネットの成長を支えてきたプロトコルです。しかし、TCPにはいくつかの課題があり、この解決には設計から変更する必要がありました、
このためQUICの設計思想は、TCPの問題を改善するために、以下のような要素に焦点を当てています。
- 低レイテンシー
QUICは、TCPの3-wayハンドシェイクによる接続確立を必要としないため、接続の確立時間が短縮されます。また、複数のストリームを同時に処理することができるため、Head of Line Blocking問題によるレイテンシーの増加を防ぐことができます。
- セキュリティ
QUICは、TLSを組み込んでいるため、データの暗号化とセキュリティ認証を同時に行うことができます。また、暗号化されたヘッダーを使用するため、パケットのヘッダー情報が盗聴されることを防止することができます。
- 可用性
QUICは、ネットワークの断片化や障害に強く、複数のネットワークパスを同時に利用することができるため、可用性が高いとされています。また、TCPよりもUDPに近いアプローチを取っているため、ネットワークの制限が厳しい環境でもより高速な通信が可能となっています。
- 拡張性
QUICは、拡張性が高いため、将来的なアップデートや機能追加が容易に行えます。また、UDPを基盤としているため、新しいアプリケーション層プロトコルの開発にも適しています。
これらの要素を組み合わせることで、QUICはインターネットのパフォーマンスを改善し、セキュリティを強化することができます。