#Project story

新たなコンセプトで
社会課題解決に貢献する
次世代のデータストレージ
デバイスを企画開発

- overview -
次世代のデータストレージデバイスである「メディアレスストレージ™」を開発中。ストレージメディアをシンクライアント化することで、従来のストレージデバイスでは実現できない、ストレージメディアのリモート管理、容量の変更、アクセスログからデータ流出追跡などを可能にする新たなソリューションだ。
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外部ストレージをシンクライアント化。
大胆な発想で新たなソリューションを。

アイティアクセスでは、常に最新技術に目を向け、世の中に新たな価値をもたらすソリューションの開発が各事業部で繰り広げられている。現場のエンジニアからの発案による自社開発のソリューションも数々あり、「メディアレスストレージ™」もそのひとつだ。これは、世界の優れた設計ツールを国内のお客様に提供するADV事業部のエンジニアが、お客様が抱えている問題に直面し、その解決策を考えていくなかで生まれたものである。その当事者であるR.O.はこう語る。
「あるメーカーのお客様の製品開発をサポートしていた時、先方から私のもとに相談が寄せられました。そのお客様は工場の機器を外部ストレージから起動していましたが、プログラムを走らせている間に外部ストレージに大量のメモリアクセスがあり、それに耐えきれずにすぐ壊れてしまうとのこと。そこで、外部ストレージの中にデータ保存メディアを置かず、ネットワーク経由でクラウドやNAS(Network Attached Storage)上のデータ保存領域にアクセスするシンクライアント型のデバイスならば、この問題を解決できるのではないかと考え、開発に取りかかったのです。」
このコンセプトをUSBメモリに実装し、メディアレスストレージ™のプロトタイプを作ってPoC(概念実証)を実施。そこで手応えを得た彼は、この新たなストレージを広く社会に提案するべく、果敢にアクションを起こしていった。

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情報セキュリティに悩むお客様が注目。
同業他社のエンジニアからも評価。

このUSBメモリ型のメディアレスストレージ™は、内部に半導体メモリを持たないので物理的に壊れにくく、デバイスの長寿命化を図ることができる。そして何よりも、デバイス内にデータを保存しないシンクライアント型であるため、万が一紛失しても他者がデータを取り出すことはできず、きわめて高いセキュリティを実現できる。こうした価値を企業や団体のお客様にアピールするために、各地で開催されるIT関連の展示会などに積極的にメディアレスストレージ™を出展。そこで官公庁や自治体の方々から特に高い関心が寄せられた。
「当時、自治体が住民の方の個人情報を保存したUSBメモリを紛失し、大きな社会問題となっていました。情報セキュリティがいっそう重要視されるなかで、このメディアレスストレージ™ならデータを安全に保存・管理することができ、その課題解決に貢献できる。行政のマーケットには大きなニーズがあると確信し、事業化への手応えをつかみました。」
そして、こうした展示会の場でユーザーとなるお客様だけではなく、同業他社の技術者から評価されたことも大きなモチベーションになったという。
「展示会では、いろんなIT企業がそれぞれソリューションを披露していますが、他社のエンジニアから『この発想は面白い』とか『優秀なソリューションだ』という声をいただき、その時はとてもうれしかったですね。」

メディアストレージ™の仕組み
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自分のアイデアを形にして世の中に問う。
そんなチャンスがここにはあふれている。

現在、メディアレスストレージ™を実現する技術はほぼ確立され、ハードウェアの完成度を高める開発が進められている。まずはプロトタイプをリリースし、お客様に利用していただきながらフィードバックを得て、ソリューションを実用化して拡販していく予定だ。
「このソリューションは、データメディアの実体がデバイス上ではなくネットワーク上に存在しているため、リモート管理でストレージの容量をコントロールすることができ、管理コストも削減できます。またアクセスログからデータ流出の有無がすぐに把握でき、万が一流出してもそのデータを特定することができる。こうした機能をもっとプロモーションして、官公庁や自治体だけではなく、一般企業の情報セキュリティ対策にも貢献したいと考えています。」
このメディアレスストレージ™を、いまアイティアクセスで急成長中のクラウド型決済サービスに続く新規ビジネスとして、大きな事業の柱に育てていくことがいまの目標だ。
「やはりエンジニアをやるからには、自分のアイデアで生み出したソリューションを形にして、世の中に送り出したい。エンジニアなら誰でもそんな志を持っていると思いますが、アイティアクセスはそれを実現できるチャンスにあふれています。せっかくこうした環境が整えられているのですから、新たなソリューションを創り出すことに、これからもチャレンジし続けていきたいですね。」

- プロジェクトメンバーより -
●ソフトウェア開発エンジニア
R.O.

ADV事業部ADV2グループ
グループリーダー
2003年中途入社

産業機器メーカーのエンジニアから転職。入社後は、海外製のリアルタイムOSのテクニカルサポートなどでキャリアを積み、お客様との対話の中からヒントをつかんでこのメディアレスストレージ™を企画開発。「アイティアクセスは経営層との距離が近く、こんなソリューションを創れば社会の役に立てるというアイデアがあれば、自分で企画をまとめて経営層に気軽に提案できる。そして、新たな市場を開拓できるソリューションだと認められれば、すぐにGOサインが出て、自分が主導して開発を進めていくことができる」とのこと。いまVDI(仮想デスクトップ)に関する新たなソリューションも構想中であり、また、最近注目を集める生成AIのビジネスへの活用も検討している。